2018年2月25日日曜日

仁和寺と御室派のみほとけ展から


仁和寺と御室派のみほとけ
東京国立博物館
東京国立博物館で開催中の「仁和寺と御室派のみほとけ」展覧会を観た。以前のブログで仁和寺は一度紹介した。格式が高い寺院だが、仏像については地味な印象だったので、今回の展覧会はマニアックな人達が興味を持つ程度で、きっと空いているだろうと思った。ところが驚いたことにウィークデイの午前中にもかかわらず20-30分待ち。
中も満員、皆の期待は、空海と嵯峨天皇の書やお経の実物を目にすることだが、実は展示されている仏像が、二度とお目にかかれないだろう秘仏がいっぱいのお宝展示会だった。
観音堂がそのまま再現
仏像33体が勢揃い
回廊 柱・壁・天井一面の仏画
仁和寺の寺院の一宇である観音堂、一般参拝者には開示しておらず、修行中の僧侶だけが入れる特別な寺院である。この中で僧侶が修行し授戒の儀式なども行われる。この観音堂が修復工事中で、展示されている33体の仏像すべてが、普段安置されている姿のまま再現されており圧巻である。さらに、仏像のみならず、お堂の回廊も再現されている。修行僧は回廊を巡りながらお経を唱える。回廊には両側の壁面、天井、柱にびっしりと仏画が
回廊の裏側
色鮮やかに再現
描かれており、これらすべての仏画が再現されている。勿論この仏画はコピーだが、京都大学との共同研究で大型特殊スキャナーを持ち込み、顔料、染料に応じたいろいろな波長のレーザー光を使い、705億画素と言うとてつもない解像度で印刷した画像である。370年間一度も手が入っていないため、雨漏りや、劣化、壁のズレなどもそのまま再現されているので、観音堂の現在をそのまま見ることができる。
一般の人たちはこれから先二度と見ることのできない、回廊の姿と極彩色の仏画及び、33体の仏像類を体験できる貴重な機会である。
大阪葛井寺 真数千手観音菩薩像
異型の仏像だが整った美しさがある
1041本の手が光背のように円を描くよう配置されている
仁和寺は真言宗御室派の本山だが、全国に約790寺をもち、各地の御室派寺院からも数々の名品や秘仏が出ていて、これらの秘仏をまとめて見ることができる。圧巻は大阪葛井寺の秘仏千手観音菩薩像、本当に千本の手が造られており、日本で最も古い千手観音像とも言われている。江戸時代の出開帳以来初めて東京での公開。そのトータルのバランス、美
手の付き方が分かる
裏から見ると手を固定する枠組み
が造られていた
しさは息をのむ。本当に千本の手があり、「真数千手」と言われるが、その一つ一つに目が描かれている。まさに千手千眼観音菩薩である。通常、これだけ多数の手があると異様な姿になると思うのだが、実に安定した美しさを感じる、その要因は観音像を円心とした真円を形作る手の配置にある。千本の手と言うが、実際には1041本の手があり、これは
739年に遣唐使だった僧玄昉が持ち帰った「千手千眼陀羅尼経」にはじめて千手観音像が出現し、1041本の手を持つと書かれていて、このお経と手の数が一致する。
実際に1000本の手を有する観音菩薩像は他に、唐招提寺の千手観音立像、京都寿宝寺千手観音立像がある、坐像はこの葛井寺の千手観音菩薩像だけである。
多数の手が円形に配置
本体は脱乾漆づくり(正面の合掌手を含む)で、脇手(大きい)は木芯乾漆造、小手は桐材の木造となっている。時代が下ると、千手観音像は40本の手が普通となり、1本の手が25の世界を救うとされ、1000本の手があるのと同じと解釈するようになった。
葛井寺では毎月18日だけしか拝観できないし、後ろに回り込むこともできないので、1000本の手がどのように本体に付けられているのかも見えないが、この展示では後ろからも間近に見ることが出来て非常に興味深い。

西宮市 神呪寺如意輪観音
膝の形が変わっている。
西宮市の甲山中腹にある神呪寺(かんのうじ)から如意輪観音菩薩像が出典されており、平安中期の作とされている。如意輪観音像は普通、立膝をしているが、ここでは、半あぐらの形で非常に珍しい。桜の木で作られており、経典で補陀落山の小白花樹を模して、サクラを用いたのだろうと言われている。毎年5月18日だけ御開帳される秘仏である。甲山に登る出発点が神呪寺境内であり、何度も登っていてお寺を訪れているのに、日本三如意輪観音像であるのを今まで知らずにいた。西宮神呪寺、奈良室生寺、大阪観心寺の三大如意輪だ。

まだ他にも、重文・国宝級の秘仏が展示されており、仏像好きには見逃せない展覧会である。

この展示会以降、一般の人は入れない
再現された仁和寺観音堂の内部 33体の仏達


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