Monday, September 25, 2017

手術ロボット<ダビンチ>で胃全摘手術を受けました

執刀医が座るのは操縦席(左側)
手術ロボット ダビンチのことは読んだことがあったが、まさか自分が、それを使った手術を受けるとは想像もしなかった。
ダビンチでの手術の様子
奥に執刀医が操縦席から操作している
手術ロボット ダビンチはDARPA(アメリカ国防高等研究計画局)が、イラク戦争激化に備えて遠隔手術を可能にする手術ロボットの開発を始めたのがきっかけである。1990年ごろから開発が始まった。イラク戦争終了後、米国のインテュイティブ・サージカルが1999年からダビンチの名称で内視鏡手術支援ロボットとして販売しており、世界トップシェアを誇る。同社の技術は、DARPAのプロジェクトとして、50~100億円ともいわれる軍事予算で開発された。DARPAについては、以前自動運転車のブログに登場している。

ダビンチ(da Vinci)の特徴として
これがダビンチのセット
2億5千万円くらいする
1.遠隔操作でアームを動かす…鏡視下手術の発展型
ダビンチによる手術は、これまでの鏡視下手術(腹腔鏡・胸腔鏡手術)にロボットの機能を組み合わせて発展させた手術法で、執刀医は、手術台から数メートル離れた場所で、カメラから送られてくる患者の体内の3D画像を見ながら、両手と両足を使ってアームを遠隔操作する。従来の腹腔鏡下手術では医者の動きや視野に制限があり、医師が2つの手に鉗子を持つが、「医者は、手首の回転などが十分にできず、腕に添え木をされているような感覚」とよく言われている。また、内視鏡も平面的で奥行きのないいわば2D画像であった。
2.ダビンチには「関節」があり、人間の手以上に微細な動き、すなわち、3本または4本のアームを執刀医が自由に操作することができる。さまざまな形状の鉗子は人間の手と同等以上の可動域がある。毛筆で米粒に漢字を書くような細かい作業も可能。「人間の指のように自在に曲がる、いわば『関節』を持った手術器械が体の中に入り作業する」感覚だという。手の動きはダビンチでは縮小できるので、微細な動きが自由自在となる。
3.ダビンチは、手先の震えが鉗子の先に伝わらないように手ぶれを補正する。高い集中力を必要とする細かな作業でも、正確に操作をすることができる。
4.モニター画像は3D(立体)で10倍に拡大できる。「奥行きのある視野のもとで手術をすることができるため、まるで人間が中に入って操作しているように作業できる。ダビンチでは、部分切除が難しい場所であっても難なくこなせる」。操作性が増し、血管や神経などを傷つけるリスクが小さくなる。
5.患者にとってのメリット
・腹腔鏡下手術と同様に傷口が小さいため早期の社会復帰が可能
・開腹手術と比較すると、極めて少ない出血量。術中に輸血が行われた例はほとんどない。私の場合、執刀医によると、切除の出血量は100cc以下だったそうだ。
・傷口は、鉗子を挿入する8~12mmほどの幅で、最大で6カ所(私の場合5箇所)
・小さな傷口のみで行われるため、皮膚や筋肉を切開した痛みはほとんどない。確かに開腹しないので縫合の痛みは少ないだろうけど、やっぱり切除部分は痛む。
・傷口が小さいため、術後の回復が早い傾向にある。開腹手術に比べ、入院期間が1週間以上短くなる。私の場合、9月13日手術、23日退院。
・鉗子の操作性が格段によくなったため、細密な動きによって機能が温存できる可能性が期待できる。最近日本でも心臓手術に大きな成果を上げていると言われている。

私の場合、手術の2日後には、もう歩くことができたし、胃全摘にもかかわらず、3日後には重湯を食べられるようになった。看護師長と話していたら、開腹手術はもちろん、通常の腹腔鏡手術の術後に比べて、遥かに手術のダメージは少ないと言われた。
現時点では、保険適用にならないのでかなり高額な手術だが、術後の医療負担がかなり軽減されると予想され、処置例を増やして、できれば、来年には保険適用にしようとする動きがある。施設によるが、前立線手術では保険適用されている病院もあると聞く。
ダビンチは高額な装置で1セット2.5億円もするので、大手病院、大学病院でないと投資が難しいかも知れない。
ダビンチ手術の医師を増やし、広い領域をカバーする動きがあり、あらゆる手術がダビンチで可能になれば、誰でも神の手を持つ外科医になるだろう。
さらに、過疎地や、有能な専門医のいない病院でも、将来はリモートから、お望みの手術を受けられる時代がそこまで来ていると予感する。

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