Sunday, November 27, 2016

京都 二尊院と清涼寺の仏像

二尊院 紅葉の参道


清涼寺釈迦立像

今年の紅葉は夏から秋への季節の動きが急激だったためか、青葉がまだ残っているのに、紅葉した葉がちりちりに枯れて、今ひとつきれいに色づいていない。
毎年、紅葉狩りは京都だ、できるだけ観光客が少なくて状況が分かっているところを選ぶ。穴場は京都西山方面だが、光明寺や大原野神社は、まだまだと言うことで、嵯峨野にする。嵐山方面を避けて、良い仏像のある寺院を選んだ結果、二尊院と清涼寺になった。

絹製内臓
清涼寺は、以前、訪れた奈良西大寺で、清涼寺式釈迦立像を紹介した。仏像を巡るこのブログは、飛鳥、白鳳、天平時代の仏像を巡っており、必然的に奈良県が中心となってしまう。しかし、清涼寺式釈迦立像は、京都嵯峨野の清涼寺から日本中に広まった国宝仏である。インド・中国・日本を巡った三国伝来仏だ。由来はブログ西大寺を参照されたい。この国宝仏には、中国で模刻された時、体内に中国尼僧(名前も分かっている)が施入した五臓六腑が、昭和28年の調査により発見された。1000年前の中国において既に人間の身体構造を、知っていた事実を示すもので、解剖学的にも貴重な資料となっている。また、レントゲン写真により、額には銀製の一仏がはめ込まれており、目には黒水晶、耳には水晶を入れてあり、尊像の霊魂として入れられたと思われる水月観音を彫った鏡が納入されていることも確認された。
本来なら先に清涼寺釈迦立像を見て、その代表的な模刻である西大寺に行くのが順序だった。日本中に、清涼寺釈迦立像を真似た釈迦像が100箇所以上ある。それらを清涼寺式釈迦像と言う。エキゾチックな顔立ち、インド風の髪型と衣紋、それまでの日本や中国の釈迦像とはひと味違うお釈迦様37歳の生き姿を、刻んだものと言われている。ひと目見ただけでユニークさと美しさにすぐ気づく。それがこの時代、清涼寺式釈迦像がブームになり競って模刻が造られた理由だろう。


西大寺 清涼寺式釈迦立像
清涼寺と比べて見て
模刻がある寺院は日本中に広がっている、代表的なものは、下記の寺院。
八千代市村上・正覚院 (鎌倉後期、166cm)    
奈良市・西大寺 (1249年 167cm)
横浜市金沢・称名寺(1308年 160cm)
鎌倉市・極楽寺(1268年 157.8cm)
茨城県大洋市・福泉寺(13世紀 165.5cm)
茂原市・永興寺(1273年 164.6cm)
千葉県大栄町・大慈恩寺(1495年 154cm)
佐倉市。正光寺(室町時代 105cm)


二尊院総門





清涼寺から歩いて宝筐院を過ぎたところに二尊院がある。いつもは入り口(総門)を通って進んだ先の参道(紅葉の馬場と言う)に入り、両側にある圧巻の紅葉を愛でて、寺院の中に入らないでUターン、通り過ぎてばかりいた。
今回は二尊院の名前の由来である、釈迦如来像と阿弥陀如来像が並立した珍しいお姿を拝観した。 寺院の創建は834年~847年にかけて慈覚大師が開山したと伝えられる。
寺名の元となった二尊院とは、極楽往生を目指す人を、此岸から送る「発遣(ほっけん)の釈迦」と、彼岸へ迎える「来迎の彌陀」の遣迎二尊を意味する。
この思想は、中国唐の時代に生まれ、日本に伝わると法然上人により広められたとされる。
二尊院 遣迎二尊




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