Friday, May 29, 2015

京都 泉涌寺(みてら)

山門からの眺め
秋の紅葉シーズンには全国から、紅葉の屈指の名所として名高い東福寺、通天橋へ観光バスが大行列でやって来る。
そのため、京都駅から東大路通りは大渋滞に陥る、地元の人達はこの界隈には近づかない。しかし、東福寺の裏側、東山寄りに位置する泉涌寺は、シーズンでもそんなに人出は多くない。
御寺 泉涌寺

意外に知られていない寺院である。出来れば、東大路通から250メートルほどの参道を歩いて行きたい。道の左右を石垣で区画して高い木々が濃い緑の影を落とす清らかな道だ。
参道の両側に子院があり、「御寺(みてら)」と呼ばれる風格を感じる。1224年勅願寺となり、四条天皇の御陵(月輪陵)が山内に営まれ、以降、歴代の御陵が造られた、そのため泉涌寺は皇室の菩提寺となった
月輪陵
ため、「御寺(みてら)」と呼ばれるようになる。
泉涌寺の特徴は、参道を上り詰めたところにある大門から眺める境内の景色だ。普通、大寺では、山門を入ると金堂、講堂などの伽藍は平坦地にあり、見上げる形になる。しかし、ここでは、山門から仏殿を見下ろすことになる。境内を掘り下げた盆地状の地に建物が位置しているので、幅広い砂利道をゆっくり下って仏殿の屋根を見下ろす感覚は他ではないものだ。
仏殿の大屋根を見下ろす
皇室の菩提寺なので御座所がある、一般人でも拝観料を支払えば入ることができる。この建物は明治天皇が御所の御殿を移築したもので、車寄せから始まって6室あり、玉座の間は一段と高くなっている。
秋の御座所庭園
御座所の庭園は周りを濡れ縁に囲まれ、落ち着いた眺めが楽しめる。
私が訪れた時には、殆ど誰も居なくて、濡れ縁に座り、庭の池を飛び交うオニヤンマを眺めながら、気がついたら1時間が経っていた。歴代の天皇、皇族がご覧になっていた空間を共有した訳だ。

仏像だが、特に女性に人気は、楊貴妃観音像だ。絶世の美女と讃えられている中国 唐、玄宗皇帝妃である。寺の言い伝えでは、玄宗皇帝が亡き楊貴妃を偲ぶため等身大の観音菩薩像を彫らせたと言われている。
楊貴妃観音像
1255年僧湛海によって中国からもたらされた。楊貴妃のように絶世の美女かどうか、一度ご覧になって下さい。

仏殿には、運慶作とされる如来三尊仏が安置されている。如来三尊が並んでいるのは非常に珍しいが、中国南宋時代の諸寺形式に倣ったものである。過去、現在、未来の三世に亘って人々を救済するとされる、中央に釈迦如来像(過去仏)、向かって左に阿弥陀如来像(現世仏)、右に弥勒如来像(未来仏)となっている。

如来三尊像


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