Monday, March 2, 2015

みちのくの仏像達



みちのくの仏像展

東京国立博物館で開催中の「みちのくの仏像」を見てきた。 
素朴な作り方
可愛い
当ブログでは、奈良から京都にある仏像を主に取り上げてきた、その地域が仏像造立の中心地であり、日本の仏像彫刻のメッカだからだ。鎌倉仏像も現地を訪れなくとも、京都の寺院で、慶派の優れた作品を数多く鑑賞できる。
ところが、みちのくの仏像は、未知のもので、以前「円空仏」を取り上げた時、その素朴さに東北を感じたが、東北地方は地理的にも、感覚的にも関西からは遠いので、馴染みが全くない。
仏像彫刻の基本から
はズレているが

この土地では、仏教は、土地の神を取り入れながら広がったといわれている。土地の神は豊穣をもたらす一方、厳しい気候や環境の現実を知らしめる存在でもあった。そこで暮らす人々は、仏像に土地の神を重ね、祈り、大切に守ってきた。この地の仏像は東北らしい土の香りがするものや、逆に都ぶりを思わせるものもあるが、人間味あふれる素朴な表情がその特色だろう。
ノミ目が美しい
741年、国分寺建立の詔に続き、752年、国家仏教のセンターとして、東大寺大仏が開眼し、地域への波及が始まる。東北地方では、陸奥国(仙台市)に国分寺ができて、仏教の拠点となった。岩手県黒石寺の薬師如来像には「貞観4年」(862年)の銘があり、平安中期には仏教の波及があったと考えられる。
しかし、多く残る仏像を見ると製作者は、都の仏像製作法をよく知らなかったのではないか、と思われる独特の表現もあり、この頃の東北では、まだ仏像をつくる環境が十分には整っていなかった事をうかがわせる。

円空仏
特徴的なのは、鉈彫り手法である。のみで彫ったあとを明確に残す手法で、普通の表現にとらわれず、ノミ目の残る表面に美しさを認めたのだろう。円空仏に共通する魅力がある。円空(1632-95)は江戸時代の人で、江戸時代の東北地方仏教美術において重要な影響を与えてきた。
円空仏
十一面観音
円空は1663年頃、仏像を作り始め、1669年頃まで東北・北海道を巡り、作品を残した。斧で割った荒々しい状態を残す後年の表現とは違い、表面は平らに整えられ、従来の仏像彫刻手法に近い作り方をしている。しかし、笑みを浮かべた表情は生涯を通じて変わっていない。
想像だが、この頃、仏像彫刻を基本に従って作り始めていた円空が、東北の鉈彫り仏像を見て、そのノミ目に美を感得したので
はなかろうか。大胆に推理すると、鉈彫り仏が円空を作ったのかもしれない。
人間味がある


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