Wednesday, May 28, 2014

東京芸大美術館 法隆寺展ー祈りとかたちー から


2014年4月21日から6月22日まで、東京芸大美術館にて表題の展覧会が開催されている。展示されている出品仏をみると国宝の吉祥天女と毘沙門天以外に、大したものはないが(法隆寺に行ったことのある人はきっとそう思うだろう、ブログ法隆寺の百済観音)、焼損前の法隆寺金堂壁画を精密模写をした、鈴木空如の本物が展示されているので拝観に行ってきた。
鈴木空如の金堂壁画模写

鈴木空如は東京芸大卒業後、画壇とは一切かかわりを持たず、展覧会にも出品することも無かったため、ずっと無名であった。
彼の最大の業績は、生涯3度にわたって、法隆寺金堂壁画12面の原寸大模写を残したことである。世に名が知られるようになったのは、昭和24年に法隆寺金堂火災による壁画焼損後、東京芸大を中心とした壁画再現複写事業(昭和42年)で鈴木空如の模写が貴重な資料となったからである。
近年、故郷の秋田県・大仙市が大規模な調査研究を行い、その芸術性が再評価されつつある。生涯に5000の仏画をのこした仏画師である。
毘沙門天
ちなみに、焼損した金堂壁画は、その後アクリル樹脂と尿素樹脂を注入、硬化させ、再組み立ての上法隆寺食堂東側の収蔵庫に収められている。
吉祥天
この収蔵庫には焼け焦げた壁画と柱などの部材が従来の配置のまま設置されているが、一般公開はされていない。先日NHKで内部の状況が紹介されていたので、その存在を初めて知った。
現在の壁画は昭和43年に、安田鞆彦、前田青邨、平山郁夫、橋本明治、吉岡堅二など日本有数の画家が携わって再現されたものである。
飛鳥仏菩薩立像

飛天
今回の出品の目玉は国宝吉祥天女像と毘沙門天像のカップルである。このお二人は夫婦であって、お釈迦様に帰依して仏教の守り神となったヒンドゥーの、神様である。吉祥天女は、鬼子母神を母とし、善膩師童子が子供である、古くから幸福、美、富を顕す神で弁財天と混同されたこともある。ご主人の毘沙門天はヒンドゥーではビシュヌ神と言われ、仏教世界で四天王の一つ多聞天でもある。日本では独尊神としては毘沙門天、四天王としては多聞天と呼ばれる。
この展覧会では、2体の仏像が仲良く並んで展示されている。その他の仏像では、飛鳥仏の菩薩立像、金堂天蓋に付加されている天人(飛天)、共に重要文化財、が素晴らしい。


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