Sunday, January 5, 2014

電子書籍を巡って


 
私のiPad本棚

昨年9月、最高裁で自炊業者のサービスが著作権法違反との判決が出た。
本の保有者が自ら自炊して電子本を作るのは合法だが、自炊して電子化をすることを生業にするのダメと言うわけだ。 詳しくはこちらから。
電子書籍が少ないので自炊は必須
常に法律は現実の後追いにならざるを得ないのだが、音楽の世界では、法律で規制した結果、主だったレーベルは消滅するか、消滅の危機に貧している状況だ。それを見れば著作権法が時代遅れになっているだけではなく、音楽メディア産業を衰退化させている経過からみて、書籍も同様になることは容易に推測できる。今回数人の著作者たちが訴訟を起こしたのだが、彼らにとって今回の判決が有利になるのかどうか疑問が残る。
安価な非破壊方式のスキャナーが富士通から出され、本を購入しなくとも友人や図書館から借りて、自分で電子化することが簡単に出来るようになれば、紙の本そのものが売れなくなる。本は昔から(紀元前400-600年)高価なもので古くから図書館が整備され、知性の象徴としての本はもっぱら写本されて広がることが前提だった。
著作権の切れた本は無料
その写本がデジタル化されると自炊になり、非破壊スキャンになり、最初から作者がデジタル出版をするようになるのはごく自然なことだ。
その最後の部分を作者と出版社が結託してデジタル化の流れに棹さしているように見える。音楽の世界だとレーベルが牛耳っていた音楽メディア出版がアマゾンやアップルに取って代わられ、最初からデジタルメディアとしてオンラインダウンロード販売が普通になった。わずか10年以内に起きたことだ。
世界中(音楽レーベル業者を除いて)のユーザーは便利で、安価で、容易な楽曲購入を喜んでいる。

日本とは逆に、アメリカでは著作者連合が8年越しに争ってきたGoogleによる本のスキャンサービスと検索の著作権法違反訴訟で無罪の判決が出た。
詳細はこちら。 Googleは出版された2000万冊を超える本をスキャン、電子化し、書籍の全文から検索できるサービス(Google books)を提供してきた。
スキャン対象の本は各国の有数の図書館蔵書が対象で、Googleのスキャン行為は米国のフェアーユースに当たると判断したものである。
Googleは今回の判決について「Google booksは読者に買いたい本、借りたい本を見つける手伝いをしている」としている。
Google books のサービスはこちらから。

日米のこの差を示すものが、日本での電子書籍利用状況だ。実に75%がアメリカの電子書店3社経由となっている。
米国の電子書店の圧勝
私の場合、自炊本が中心だが、電子書籍購入はKindleストアがほとんど、Google booksがごく一部、Appleはない。ところが電子書籍機器の利用形態は、iPad(Apple)がほとんどでGoogle(デスクトップPC)がごく一部となっている。これが、電子書籍ビジネスの難しいところで、本をデジタル化して販売する出版社に相当する電子本出版業者と、電子本を読むデジタル機器メーカーが必ずしも同じでない。
取り扱い書籍数の桁が違う
iPad(Apple)があれば、Amazonのkindle本もGoogle Booksも読むことができる。ソフト業者とハード業者が夫々協力し、競争しあっている。
ハード業者は当然、利用者を囲い込みたいはずで市場占有率が高ければ、自社の電子本しかサービスしない方向になるのだろうが、現実はそうなっていない。ユーザーの立場から最も使いやすい機器を選べる。
日本では伝統的にメーカーが市場をコントロールしたがるので、ソフト時代の消費者から嫌われる。いわゆるガラパゴス化だ。
携帯電話、TVなどAV機器、PC,に続き電子書籍機器も、このままでは同じ道を歩むだろう。


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