Thursday, March 28, 2013

円空仏




東京で少し時間があったので、東京国立博物館で開催中の円空展を見てきた。
木目の美しい仏
63年の生涯に12万体の仏像を作ったと言われる円空、実際に5300体もの木彫仏が確認されており、さらに発見されていないものも多数あると言う。
円空は訪れた山林の木を素材にして、あまり手数をかけずに仏像を造った。表面には何も塗らず、木を斧で割った切断面、節やノミ跡がそのまま残る像が殆どである。 木の生命力が感じられ、素朴でやさしい円空仏は多くの人に親しまれ、愛されている。 どの仏も、微笑んでおり、どこかバリ島のヒンドゥー教像を思い起こさせる。
立木に彫られた仏
木の質感をそのまま生かし、丸太の一本彫りであったり、丸太を半分あるいは、3分の1に割り、裏側はナタで割った跡をそのままにして、表だけに彫刻を施しているのが殆どである。
もっとすごいのは立木にハシゴをかけ、そのまま仁王像にしたのもある。
円空は村々を巡り、雨乞い、五穀豊穣など村人のために乞われるがまま仏像を造った。
今回、33観音立像が展示されていたが、実は31体しかない。村人が病気などになると、お寺からこの観音像を借りだし、病人の枕元に置いて、病気平癒を祈った。病気が癒えるとお寺に返すのだが、いくつかは戻らなかったとか。
ダイナミックな両面宿儺像
また、子供たちは木彫りの小さな仏像を川に浮かべて遊んでいた、こけし人形のようなものだ。
元来、仏像は必ずその成り立ちを示すお経にもとづいて造られ、仏像の姿、形など必ず決まりがある。その制約の中で仏師が工夫しながら、美しい姿を求めて作像してきたものだ。
円空は若い頃、主に天台系の寺院(三井寺、法隆寺など)で、作像を学んだ。その頃の仏像にはルールに基づいて造られたものもあると言う。
微笑みの仏
だが、彼の作る仏像は一体なぜこれが観音像、なぜこれが阿弥陀様なのかか判らないものがほとんどだ。彼が、あるいは村人がこれは観音様と言えば、それが観音様なのだ。
ルールや制約から完全に解放されて自由奔放で、いわば仏像彫刻のルネッサンスのような闊達さが、とても面白い。
33観音立像

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