Saturday, May 21, 2011

秋篠寺の仏像

秋篠寺本堂 国宝


苔庭
秋篠寺は、大和西大寺駅から歩いて20分程の所にあり、奈良競輪場のすぐ脇で、住宅街の中にある。こんなところに古刹があるのかと思って、歩いていたらひっそりと、南門があった。
伎芸天
入ると、庭が広く、一面の苔庭の中に樹影が濃い。とても静かで拝観者は私だけだったので、この空間を独り占めできる幸せを享受した。 礼宮様が結婚されて宮家を立てられる時、この秋篠寺に因んで秋篠宮を宮号としたことから急に一般に知られるようになった。一時は女性週刊誌で、この寺の伎芸天が紀子さまに似ているなどと騒がれたこともある。写真を見てどう思われますか?
優雅な伎芸天
伎芸天像はこの寺以外に例がなく、果たして技芸の仏様なのかどうか議論がある。 頭部分は奈良時代の作で乾漆作り、胴体部分は、鎌倉時代の木彫である。 本堂の左端に位置し、瞑想的な表情と優雅な身のこなしで人を魅了してきた。


秋篠寺は、776年、光仁天皇の勅願で創建された。

光仁天皇擁立にともなう権力争いの結果、井上皇后、他戸皇太子が反逆の疑いで幽閉され、変死した。その後天変地異が頻繁となり、瓦や土塊が都のあちこちの屋根に降ってくると言う現象が20日間も続いたと日本書紀に書かれている。 そのため、天皇は皇后、皇太子の祟を鎮めるため、この寺を建てたが、宮中での奇怪な事件は止まず、ついには富士山まで噴火した。
薬師如来像
結局、秋篠寺が創建されて、わずか5年後に光仁天皇が崩御している。 桓武天皇の三五日忌が秋篠寺で行われるなど、後々まで皇室と関わりの深い寺院である。
ご本尊は薬師如来である。薬師如来が護国の寺に多いのは、現世の利益を叶えてくれると信じられていたからだ。手に薬瓶を持ち病気、苦しみ、怨霊などを払ってくれる。
ここの薬師さまは可愛いお顔をしている、まるでやんちゃ坊主そのままの様なまん丸い童顔だ。

大元帥明王
秋篠寺で有名なのは、伎芸天像とならんで大元帥明王像がある。秘仏で通常は大元明王院に祀られている。
大元帥明王は、画像が殆どで仏像姿はここだけである。猛烈な怒りの表現をしており、官立系の寺院で祀られる。国家大難時にのみ持ち出されて大難除去を祈る。(だから普段は仕舞っておける図像が多い) 高野山 西南院、 京都 醍醐寺、東寺 には図像、秋篠寺立像を含めて4像が現存している。これら4像とも13-14世紀に作られている、即ち元寇の大難の時期にあたり、国家安穩を祈祷したものである。
それ以来、大元帥法は宮中のお正月に行われる年中行事となっている。

日本は歴史に残る大難の時だ。 この時代こそ、薬師如来と大元帥明王の出番ではないのか。

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