Wednesday, March 30, 2011

京都 東寺の仏像





今回は奈良から外れて京都東寺の仏像です。
「仏像の見方」の現地講座、ちょうど、3月20日から東寺 金堂・講堂、宝物館、観智院の春季特別公開が始まっており、普段見ることの出来ない仏像も拝観できた。
東寺は、日本一高い五重塔で有名、新幹線から見える。 私は中に入ったことはなく、毎月境内で開かれる弘法市(骨董露天)に何度か行ったことがある。

法隆寺とならんで国宝や重要文化財の宝庫なので、とても楽しみにしていた。
知らなかったのだが、東寺の正式名称は「金光明四天王教王護国寺秘密伝法院」という。すごい名前だと思いませんか。「王に教え国を守る秘密の法を伝える寺」。
略して教王護国寺が通常名。 一般庶民は京都の東寺さんと呼ぶ。

講堂に安置されている立体曼荼羅(3Dのマンダラ)を見る。 密教をもたらした空海が、曼荼羅図で描かれた2次元の密教世界観を、初めて仏像を用いて3次元で表現したものだ。
真ん中に5体の如来(金剛界5仏・自性輪身)、右側に5体の菩薩(5菩薩・正法輪身)、左側は5大明王(教令輪身)があり、左右の端にこれらを守護する天が各々3体ずつ配置されている。
帝釈天半跏像
金剛界5如来仏は、密教が説く仏法そのものを象徴する姿。密教の世界観を示す。
右の5菩薩は如来が衆生を教化するために変身した慈悲の姿。  素直に、仏にすがり救済をお願いする人は菩薩によって救われる。

左の5大明王は、5菩薩がどのように優しく慈悲の姿で教化しても従わない人々に対して、恐ろしい忿怒の形相をした明王に変身して力で衆生を教化する姿を表している。
なかなか人の言う事を信じないなひねくれ者は、この恐ろしい姿の明王がやってくるのだ。

四天王 持国天
5大如来は平安期の当初仏は失われ後に(桃山時代から江戸時代)補作されたもので重要文化財。
5菩薩の内4体、5明王像は創建当初(平安時代)のもので国宝。

じっくり眺めると、とても迫力のあるいいお顔だ。 奈良の天平仏よりずっと人間らしい姿をしている。
表情や体つきなど写実的である。もともと、仏像はその仏について書かれた特定のお経に基づいて作られるので、人間を写したものではなく、超人的な特徴を備えているため人として見ると強い違和感があるのが普通。
それに比べて写真の帝釈天半跏像のお顔など穏やかでハンサムだ。
梵天坐像
四天王の持国天を見ても、体つきや甲冑などまるでギリシャ彫刻を見るようなリアリティがある。

さらに梵天坐像は高さ1m余りだが、頭から台座まで一本の木を刻んで作られたものだ、少なくとも半径2m以上の木を使っているはず。
兜跋毘沙門天
しかも梵天は元々ヒンズー教の神が仏教に取り入れられ仏教の守護神となったものなので、エキゾチックな西域・インド的な顔つき、体つきをしている。

兜跋毘沙門天はもっとエキゾチックで唐から持ってこられた像だが、唐様ではなく、着用している甲冑、冠、見えないが冠の横に表現されている人物像など、すべて胡人(モンゴルか韃靼か)を写したものである。

立体曼荼羅仏の紹介だけでもまだまだある。
法隆寺と同様、東寺も宝物が多すぎて、一回だけでは見きれない。 また機会をつくってぜひとも再訪したいものだ。

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