Monday, October 25, 2010

法隆寺 百済観音

仏像シリーズの2回目は法隆寺の百済観音。 
法隆寺は近くなのに、この半世紀程、訪れていない。京都の寺社仏閣は四季折々に尋ねたくなる美しさがある、しかし奈良の寺院は地味だ。
観光と言うより、ハイキングに行く、あるいは考古学の見学に行く趣になってしまい、華やかさがない。
料理屋もインパクトのあるうまい店が少ない。人に働きかけをしないで、座して客の来るのを待っているだけの「奈良大仏商売」と、悪口を言われるくらいだから。

これは、奈良をおろそかにしていた言い訳。

法隆寺はすごい、建物の殆どが国宝と重文だし、中に入ると他では味わえない異空間を体験できる。
有名なエンタシスの柱や、そり上がったひさし、重厚な南大門、どっしりとした五重塔、落ち着いた土壁の築地など、古代中国に踏み込んだかと思うよう眺めで、なぜか癒される。
建物の四隅に置かれた邪鬼の姿も当時のままで、可愛く、微笑ましい。

この寺院に収められている仏像仏具のほとんどすべてが、飛鳥・白鳳・天平頃の作で、現存する最古のものと言われている。
しかもそれが一体や二体ではなく、所狭しと並べられているのだから贅沢極まりない。
1300年も経た五重塔が今もその美しい姿で建っているのを見るだけでも値打ちがある。 ここは日本における最初の世界文化遺産なのだ。


国宝建築物、国宝彫刻のトップ3所有者を見てもその凄さがわかる。

建築物: 法隆寺18、東大寺9、醍醐寺6
彫刻 : 法隆寺17、興福寺17、東大寺13

魅力のある仏像が多いので、どれを取り上げるのか大いに迷うが、私の一番好きなのが、百済観音像だ。
この観音像の魅力は何も知らなくとも、この像を見ただけで不思議な感覚になる。何かが違う。
和辻哲郎「古寺巡礼」では、我が百済観音と紹介され、それ以降この名前が流布したが、長い間寺では、虚空蔵菩薩とされたきた。
また、亀井勝一郎は「大和古寺風物詩」で、この像を「大地から燃え上がった永遠の焔」と表現した。
全く予備知識なく対面しても、この像はすぐに判る、今まで見たきたどんな仏像よりもインパクトがあるから。
スラリとしたお姿、仏像は普通6等身が多いのに対して、8等身であるので、すっきりした印象に映る。そのお顔は私にはアフガニスタンや、シルクロードの古代仏像に似通って居るように思える。
即ち、他の天平、奈良時代の仏像では無い、だから百済観音と言われるようになったのだろう。
実際のところは判らないらしい。
安置されている場所も仏像の後ろ側も見えるようになっており、頭光背は竹の先に取り付けられており、それも変わっている。実はその竹も木製の彫刻で本物のように出来ている。

法隆寺には他にも、聖徳太子を模したと言われる釈迦三尊像や、やさしいお顔の夢違観音像、すぐ近所の中宮寺 弥勒菩薩像など、魅力的な仏像が多い。
これから先、何度か会いに行って紹介してゆきたい。

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